「むくみの症状と漢方薬」

むくみむくみ(浮腫)は、全身性と局所性があります。全身性には他の疾患が元になっているもの、例えばうっ血性心不全、ネフローゼ、肝硬変、甲状腺機能などがあり、また局所性ではリンパ浮腫や血栓性静脈炎などが考えられます。さらに、病的なものでないもの、代謝の低下によるものも考えられます。

むくみの中医学的対処法

漢方では主に「肺・脾・腎」の働きと関連付け、また陰と陽で区分して考え、浮腫の発生する場所、状態により滞る水を排出する処方が多くあります。その原因としては、例えば、外気の湿気によるもの、湿気が体にこもって出にくいもの、胃腸機能が弱く水分代謝が低下しているもの、体に冷えがあるためなどがあります。

むくみのケーススタディ

梅雨のむくみ

梅雨に入ると体の不調を訴える人が多くなります。 21歳のA子さんは起床すると手や顔がむくみ、毎朝「あ~、今日もむくんでいる」と思い憂鬱な一日が始まるといいます。また、蒸し暑い夜、疲れを癒す一杯のビールが翌朝のむくみを生じる事もあります。 顔や手だけでなく全身がむくみ、さらに頭重感や眩暈、下痢などに発展する事もあります。

漢方医学ではむくみの原因は湿(水分代謝障害)としてとらえています。大気の湿度が高くなると汗が蒸発しにくく、体内に湿がこもり、むくみが発生します。体内の水分代謝は脾(消化器系)、肺(呼吸器系)、腎(泌尿器系)の三つの臓器の連携プレイで調整されています。 冷たいもののとりすぎや、ストレスが長く続くと脾の働きが弱まり、水分が停滞し全身がむくみます。押さえて凹むものは水腫とよばれ、凹まないのは気腫として区別されます。

漢方薬としては、水腫に対しては余分な水分を尿として排泄する、五苓散や猪苓湯などを使いますが、体内に停滞する湿(気腫)に対しては、胃腸を整えて汗腺の働きを活発にする勝湿顆粒などを使います。また、高齢者の脚のむくみには、腎機能を高める牛車腎気丸もよく使います。

精華牛車腎気丸(せいかごしゃじんきがん)むくみを取る果物として西瓜が有名です。豊富な栄養と水分で酷暑に消耗された体液を補う事ができます。とくに皮は翠衣と呼ばれ強い利尿作用があります。また小豆や鯉は腎炎や妊娠時のむくみによく使われています。 むくみをなくし、スッキリさわやかな初夏を迎えたいものです。

慢性的な浮腫

女性のむくみ相談はよくありますが、男性でもいろいろな疾患によって慢性的起こるものがあります。

34歳の男性Mさん、肥満、高血圧で、腎機能も低下していて全身浮腫がひどいので相談にこられました。まずは利尿からと<猪苓湯>をお使いいただき、しばらくして浮腫みは改善してきたのですが、こんどは急激な回転性に見舞われました。原因は明らかに水毒なので<冒眩散>を併用していただきました。それ以降はめまいは発症せず、浮腫も改善してきましたが、飲まないと不調なため継続されています。

チョレインV元々の原因は食生活にあるのですが、仕事の関連で自粛もむつかしく、やむを得ないとのことでした。

最近よく言われる<メタボリック・シンドローム>もその原因は日常生活の中にあり、薬によって改善するよりも、<健康に対する意識>を変えることができるか否かがポイントとなります。

わが身にも言えることですが・・・。

※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。

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